PORTAL TOKYO
外国駐在・滞在経験が豊富な人たちの,生きた英語に関する話題

役に立つ英語(8)

白須 辰美




ディレクトリ

 私はかなり年齢が高くなってから米国駐在を経験し、もともと不得意科目の英語と苦闘するはめになった。はじめは相手の英語を日本語に、自分の日本語を英語に翻訳しながら会話していた。少しなれると、いちいち翻訳しなくても会話が進められる自分に気がついた。
 私よりもずっと長くアメリカにいる日本人にこの話をしてみたら、その人は英語と日本語のディレクトリが違っていて、会話に使う言語で異なるディレクトリを使うのだと聞いて感心したことがある。その人によれば、「したがって英語で記憶した内容を日本語でアクセスしようとしてもうまく出来ない。もちろん逆も然り」なのだそうだ。
 以前に、バイリンガルの人が会話しているときに使う脳の位置は言語によって異なる、という実験をTVで見たことを思い出し、妙に納得したものだ。ところが、最近の実験では生まれながら同等に異なる言語を使い習得した人間はこの境目がない、という結果が得られているそうである。これこれでまた興味深い事実ではある。
 いずれにせよ老齢になっても流暢な英語をものに出来る方法が見つかった、という報告はまだ聞いていない。

 
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