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高い、低い
1997年10月に自ら操縦するライトプレーンの墜落事故で亡くなったジョン・デンバーの歌にロッキーマウンテンハイ(Rocky Mountain High)という歌がある。デンバーの澄んだ声にコロラドのロッキーの山並みの高さが目に浮かぶ。デンバーというのは芸名で、彼の本名は、ヘンリー・ジョン・ドイッチェンドーフという。ロッキーの高い山並みを愛した彼は、コロラド州都デンバーを自分の芸名とした。
山について高い、低いというときには英語ではもちろん、high、lowを使う。高い山はa high mountain、低い丘はa low hill。ただし、高山植物というときはa high mountain plantとはいわず、an alpine plant(花の場合はan alpine flora)という。
建物について高い、低いという場合にもhigh、lowを使ってもよいが、tall、lowのほうが一般的のようだ。a tall building(高いビル)、a low house(背の低い家)という具合だ。 highを使うならむしろ、a high-rise building(高層ビル)。もっと高いビルはa sky-scraper(摩天楼)。摩天楼は空を引っ掻くほどに高い。しかし同じ和訳でも、「空を引っ掻く」などというより先人の「摩天楼」のほうがはるかに文学的。現代人にはこんな美的な訳語は逆立ちしても出てこない。
人間の場合、背が高いというのはtallというのはたいていの日本人が知っている。それでは背が低いのはlow? それでも間違いではないだろうが、普通はshortを使う。 長年 shortは「短い」と教えられてきている日本人には素直に出てきにくいが、たとえば "The suspect is a short man"(容疑者は背の低い男だ)という。
集合写真を撮るときにカメラマンが一言、"Short ones in the front row, please!"(背の低い方は前列にどうぞ!)。西欧人に混じると日本人は一般的には short で、前に並ぶことが多い。short には「足らない」という意味もあるので、そういわれると「あなたは背の高さが足らない」といわれているようで、ちょっと悔しい。
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