地下鉄南北線本駒込駅の北,徒歩5分。太田道灌が江戸城築城の際、「吉祥」と刻まれた金印が出てきたため、城内に吉祥庵を建てたのが始まりといわれる。その後,江戸城拡張のため駿河台へ移ったが,明暦の大火で焼失して現在地へ移転した。 江戸時代には宗門の禅学を修める道場である栴檀林が置かれ,全国から多くの学僧が集まった。震災と戦災で堂宇を焼失し,戦後に本堂,書院,庫裡などが再建された。山門と経蔵は焼失を免れ,当時の姿をとどめている。 墓地には二宮尊徳や榎本武揚、川上眉山らの墓がある。また,八百屋お七と寺小姓吉三の悲恋物語の寺としても知られており、境内には「比翼塚」が建てられている。比翼塚とは情死したりした相愛の男女を一緒に葬った塚。